心理カウンセラーは一般に、どのような人のことをいうのでしょうか?
心理カウンセラーについて解説していきたいと思います。
目次
心理カウンセラーはこころの専門家
心理カウンセラーは主に、日常の悩みや、こころの問題を抱えている方への援助を行う人をいいます。
日常生活に支障を来たしてる方へは、臨床心理学の知識をもとに、心理療法を使ってサポート
することから心理カウンセラーはこころの専門家として扱われます。
こころの専門家には他に精神科医がいますが、心理カウンセラーと精神科医はどう違うのでしょうか?
心理カウンセラーと精神科医の違い
悩みごとにもいろいろありますが、それがとくに酷い場合は、
一般にはメンタルクリニックの受診となるケースが多いのではないでしょうか。
メンタルクリニックでは主に、薬物療法や精神療法を行います。
では、心理カウンセラーには、どんなときに相談に行くのでしょうか?
また、精神科医との違いは何でしょうか?
心理カウンセラーは診断や、薬物療法ができない
こころの病で悩まれている方には、そもそも、それがこころの病かどうかはわかりません。
テレビやインターネットで、自分はこころの病かもしれない、と感じて自己診断しても、
それはこころの病かどうかはわかりません。
こころの病かどうかはっきりさせたい場合は、精神科医による診断が必要になります。
うつ病であると診断された場合、仕事を休職して、治療に専念したほうが良いこともあります。
そんなときには医師の診断書が必要になりますが、そうした診断や、診断書は心理カウンセラー
には出せません。
また、精神科医は薬物療法を用いますが、心理カウンセラーは話を聞いたり、
心理療法を行うのみで、薬物療法はできません。
こうした違いがありますので、相談に行く際は、何を目的とするのかを事前に考えておくといいでしょう。
心理療法と精神療法の違いって何?
心理カウンセラーは心理療法を行い、精神科医は精神療法を行いますが、殆ど同じと考えていただいてかまいません。
ですから、相談者は、薬物療法よりも、話を聞いてもらうだけでいい、
診断はしなくてもかまわない、とお考えの方は、心理カウンセラーに相談してみるのがいいでしょう。
まずは心理カウンセラーに相談し、それでなかなか改善しなかったり、症状が重そうであれば
メンタルクリニックを受診してみるなど、最初の相談窓口として、心理カウンセラーに相談してみるのもいいのではないでしょうか。
このように、精神科医と心理カウンセラーの違いは、薬物療法や診断をするかしないか、
という点が大きく、どちらも心理療法(精神療法)を用いたカウンセリングを行うことには
違いはありません。
そうしたことからも、薬物療法や診断をしない心理カウンセラーは、
あまり、「治療」という言葉は使わない傾向にあります。
心理カウンセラーの場合、治療というより、クライエントが自己受容できるように寄り添いながら
心理カウンセリングを行い、こころのバランスがとれるようサポートしていく、と言った方が適切でしょう。
そのために大切なことは、クライエントの話をこころから聴き、共感を示したり、肯定することです。
心理カウンセラーはとくにラポール構築が大切
今まで説明してきた通り、心理カウンセラーは診断をしませんし、薬物療法もしません。
心理カウンセラーは、お話を聞くこと、心理療法を行うことを専門にしています。
お薬を使っての治療ができないぶん、心理カウンセリングでサポートするしかないわけですから、
相談者が相談しやすいような工夫をしていかなければなりません。
心理カウンセリングにおいて重要なのはラポール(信頼関係)を構築することだと考えられています。
いくら心理学の知識が豊富であっても、権威的なカウンセラーであればラポール形成は
崩れてしまい、カウンセリングはうまくいきません。
もちろん心理学の知識は大切ですが、それと同じように聴く力や共感力も必要になってきます。
すなわち、つらい経験、体験がある人ほど、共感力や自己開示により、自然なラポール形成が
期待できるため、心理カウンセラーに向いているとも言えるでしょう。
カウンセラーの資格を取得していない心理カウンセラーも中にはいますが、もしかしたら、
こうした聴く力や共感力が人よりも優れているのかもしれません。
皆さんならどうでしょうか?心理学の知識がある偉そうな先生と、仲の良い、なんでも話せる
友人とでは、どちらの方が話していて気分が楽になるでしょうか?
ラポールについては、こちらの記事で詳しく知ることができます。
心理カウンセラーの責任について
最後に心理カウンセラーとして大切なこととして、クライエントのプライバシーや
個人情報を守り、第三者に漏れないよう注意する必要がある、という点です。
心理カウンセラーはクライエントの秘密を知ることも多いので、この点を十分に守る必要があります。
心理カウンセラーは心理的知識やカウンセリング能力だけでなく、インターネットのセキュリティ
等にも気を配ったりと、仕事に十分な責任を持たなければならないのです。