【カウンセラー講座】カウンセリング中、相手が黙ったら沈黙しよう!会話が続かないときの対処法

カウンセリングでは傾聴が基本ですが、ではカウンセリング中にクライエントが黙ったらどうすればいいのでしょうか?相手が沈黙したときのカウンセリングの対処法を学んでいきましょう。
カウンセリングで相手が黙ったら、カウンセラーも黙るようにします
普通の日常会話では、話し相手が黙って会話が途切れたときに、何か話をしなければ、と不安に感じてしまい、適当な話題を振ったりするものです。
すると会話がスムーズに流れていきますので、そうした体験から相手が沈黙したら話を振るのが普通である、という価値観を持っている人が殆どではないでしょうか。
ではカウンセリング中にクライエントが黙ったら、その沈黙状態から抜け出すために話題を振る必要はあるのでしょうか。
その必要はなく、基本的にクライエントが沈黙したら、カウンセラーも沈黙するようにします。
ではなぜカウンセラーは話を振る必要がないのでしょうか。
カウンセリング中の沈黙は、クライエントが考えている時間
カウンセリング中、クライエントが沈黙するのは以下の可能性が考えられます。
- 次に何を話すべきかを考えているから
- カウンセリングをきっかけに、悩みの問題点をあれこれ考えている最中だから
このように、沈黙しているときは何かを考えている大切な時間なので、カウンセラーも同じように沈黙して待つわけです。
クライエントが何を話そうかとか、あれこれ考えを巡らせて整理しているのに声をかけられたら、せっかくまとまってきた内容が消えてしまうのです。
こうした理由から、相手のためだと話を振るのはかえって良くないわけです。
クライエントが沈黙中、どのくらい待っていればいいのか?
クライエントが沈黙してもカウンセラーは慌てず、話をしてくれるまである程度は待つことが必要ですが、ただ、カウンセラーが黙って待ち続けるのも現実的ではありません。
数秒から数十秒待ってみて、それでもクライエントが沈黙を続けていたら、繰り返しを行うようにします。
ただし、繰り返しを多用すると不自然な会話になってしまいますので、繰り返しだけでなく質問するのもいいでしょう。そうするとクライエントも話しやすくなります。
否定的な沈黙にはどう対処したらいいの?注意したほうが良い沈黙とは?
クライエントの沈黙は基本的に、考え中であり悪いことだとは考えられていませんが、中には注意した方が良い沈黙もあります。
例えば、こんな人と話しても時間の無駄だ!と考えて黙り込む沈黙です。こうした場合、クライエントの態度である程度わかります。
- 落ち着きがない
- 時計をチラチラ見る
上記のように、カウンセリングに関心がないような態度で沈黙する場合が否定的な沈黙です。
このような場合は、そのカウンセリングがクライエントに本当に適切なのかを考える必要があります。
心理カウンセリングで傾聴し、話を聴いていくスタイルはロジャーズの来談者中心療法が基本概念となっており、
クライエントが中心となって話を聴いていくわけですから、そもそも話をしたがらない方には不向きなのです。
カウンセラーはクライエントとよく相談し、ほかの心理療法を説明するなどの心理教育を行う必要があるでしょう。
心理療法に切り替える柔軟性も大事
話をしたがらない、話すのが嫌だ、このような態度の沈黙が続いた場合、カウンセリングにこだわらず他の心理療法に切り替える柔軟性がカウンセラーに求められます。
例えば交流分析のエゴグラムを作成してみたり、リラクセーション法の心理教育を行うなど、様々な選択肢があります。
こうしたことからもカウンセラーは傾聴だけでなく、その他の心理療法を知っておくほうが望ましいでしょう。
留意してほしいのは、途中から心理療法に切り替える場合はカウンセラーの独断ではなく、クライエントと話し合って決める必要があります。
クライエントのインテークの内容、時間配分、次回まで時間がかかる場合はその分、次回のカウンセリング料金もかかることになってしまいますから、そうしたことを加味しながら検討する必要があります。
実際に練習して沈黙をマスターしよう!
相手が沈黙してしまうと、つい、いつもの癖で話しかけてしまいます。心理カウンセラーにとって沈黙状態に慣れることは大変重要です。何度か練習して沈黙されても動じないようになりましょう。
トーク例 どうしてカウンセラーになりたいのか
対応 受容 繰り返し 沈黙
動画で練習することもできます。
あなたどうしてカウンセラーになりたいの?



…



…(沈黙)



昔、つらい出来事があって…



うんうん(受容)



…



…(沈黙)



…



…(沈黙)



苦しんでいる人の気持ちがわかるからなの。



あぁ~なるほどねぇ(受容)



うん
いかがでしたでしょうか、沈黙が起こっても慌てずに対応できたでしょうか。沈黙に対応できるようになると、実戦で慌てずに対応できるようになります。何度か練習して、自然な沈黙ができるようになって下さい。
沈黙後には相手の話を繰り返すこともときには必要になります。
繰り返しについてはこちらの記事をご覧ください。


