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カウンセラーに向いてる人とは?カウンセラーに必要な共感的理解について学ぼう!

空と雲

カウンセラーに必要な条件は6つあり、そのうちの3つの三原則がとても大事です。
それが、自己一致、共感的理解、無条件の肯定的関心です。

今回は共感的理解、無条件の肯定的関心について学んでいきましょう。

目次

カウンセラーに向いてる人とは、どんな人?

カウンセラーに向いてる人とは、どんな人でしょうか?それは、共感や肯定ができる人です。

共感とは

同じ体験をしたかのように、わかってあげること。

肯定とは

相手を受け入れることです。

どうでしょう、あなたは共感や肯定ができますか?
クライエントを自分のことのように共感できますか?
たとえ受け入れがたいことであっても批判したりせず受け入れることができますか?

もし、それができるようでしたら、カウンセラーに向いているかもしれません。
共感して理解すること、無条件に肯定することがカウンセラーとして、とても大切なんです。

カウンセラーに資格が必要ない理由

カウンセラーには国家資格と民間資格があります。大学で心理学の勉強をすれば様々なことが学べるでしょう。
そして国家資格を持つことで、学校や病院などにも採用されるかもしれません。それは大変、素晴らしいことです。では、そうでなければカウンセラーとしてふさわしくないのでしょうか?

実は、カウンセラーになるのに必ずしも国家資格や民間資格は必要ではありません。
実際に資格なしでも、カウンセラーとして活動されている方もいらっしゃいます。


そうした方は、共感的理解、無条件の肯定的関心がしっかりとできているかもしれません。

もちろん、こころの問題を扱うわけですから資格を取って、専門知識を得ることは重要ではありますが、そもそもカウンセリングが無かった時代、こころの相談は精神科医が行っていました。

そこでアメリカの心理学者、カール・ロジャーズがお悩み相談を受けていた際、話を聞きながら共感し、肯定することで相談者が回復することを発見したのです。

カウンセリング提唱者のカール・ロジャーズは「カウンセリングや心理療法は素人にも誰にでもできる。カウンセリングにおいて権威や知識は必要ない。」とし、世界的にカウンセリングが広まっていったのです。

こうした経緯も考えると、カウンセリングに必ずしも資格は必要ない、というのもわかる気もしますよね。

ただし、それには条件があり、それが共感的理解、無条件の肯定的関心です。
他にも条件はあります、自己一致についてはこちらで学ぶことができます。

逆説的に考えてみると、資格を取得していても共感的理解、無条件の肯定的関心ができていなければロジャーズのカウンセリングは上手くいかない、ということでもあります。

自然な共感とは

カウンセリングを行う際、ロジャーズの考え通り、共感的理解が大切です。この共感的理解とは、その名の通り共感し、理解することです。共感する振りではいけません。自然な共感が望ましいでしょう。

例えば、辛かった経験のある人は、自分の辛かった経験を思い出し、自然と共感して話を聞くことができます。

辛かった経験があまりなかった人はどうでしょうか?
例えば、うつの状態というのは、カウンセラーの資格を取ったり、インターネットで調べればわかります。

うつ状態
  • 意欲が低下し、何もやる気が起きない
  • 抑うつ感があって体がだるい

などです。しかし、実際に自分自身がうつ状態を体験すれば、いろいろなことがわかるでしょう。

抑うつ状態のとき
  • 職場でどうだったか
  • 対人関係はどうだったか
  • 何がつらかったのか
  • 何を考えていたか
  • うつ状態で外出した際、どんな状態だったか
  • これからのことをどのように考えていたのか

など、自分で体験しているからこそ、同じような状況で苦しんでおられる方に対して、力になってあげたいというごく自然な自己一致ができます。自然に共感し、理解し、そして受容することができるわけです。

このようなことから、同じように辛い経験があったから理解できる、という方こそカウンセラーに向いているとも言えるでしょう。

もしかしたら気難しそうなカウンセラーの先生よりも、過去に辛い経験のあるスナックのママさんと話したほうがカウンセリングになり得るかもしれません。

そんな方がカウンセラーの資格を取得したら、素晴らしいことだと思います。

空と草原

皆さんはどうでしょうか。自発的にカウンセリングを学びたいと考える皆さんは

私は過去に辛い経験があった、だからこそ助けてあげたい

と考える優しい方が多いと思います。
このように優しい皆さんは、カウンセラーに向いているといえます。


ただし注意点として、このクライエントは私がいないとダメだ、と、自分の価値を感じるためカウンセリングをしてはならない、ということです。クライエントに依存しないように、また依存されないように注意してください。

カウンセラーに向いていない人とは

カウンセラーに向いていない人として、他人に厳しすぎる人が挙げられます。

クライエントの悩みに対し、甘えだ!とか、そのぐらいでなんだ、自己責任だ!と、怒りだして、共感をしないような方はカウンセラーに向いていないでしょう。


今現在、こころの問題を抱えている方もカウンセラーに向いていないでしょう

例えばうつ病の方や、パニック障害の方など、こころの問題を患っている方です。一般的には、病気を治してからカウンセラーを目指すべき、と考えられています。

しかし諦める必要はありません。そうした方は治療を受け、改善されてからカウンセラーを目指せばいいのです。

私はカウンセラーっぽくないのですが、カウンセラーになれますか?

私は自分に自信がないし、カウンセラーに向いていないかも…。
毎日充実した生活を送っているわけでもないし、友達も恋人もいない…。
悩みやすいし、こころが弱いし、ひきこもりっぽくなるし、こんな自分はカウンセラーに向いてないかもしれない…。
こんな私が、カウンセラーだなんて、なんだか詐欺師みたいです。

そう考える方もいらっしゃるかもしれません。

では、悩みや、問題を一切抱えていない人、毎日充実した生活を送っているような人がカウンセラーに向いているでしょうか?もしかしたら一般的には、そのような方がカウンセラーとしてふさわしいと考えられているのかもしれません。

だとしたら、カウンセラーになれる人は、あまりいないかもしれません。
なぜなら、悩みがない人や、毎日充実した生活を送っているような人は存在しないか、ごくわずかな人しかいないからです。

誰にだって悩みや不安、ストレスはありますし、有名人だろうが、お金持ちだろうが、ときとして憂鬱になることもあります。完璧な人間や、完璧な人生などこの世に存在しません。

ですから、カウンセラーはこうであるべき!という固定観念は現実的ではないのです。

ただし、過去に辛い経験をしたことがある人のほうが自然な共感ができることは確かで、そうした方はカウンセラーに向いているといえるでしょう。

個人の意見として

あくまでも個人の意見ですが、毎日が輝いているようなカウンセラー、またそう見せているような方には、何となく、重い話は相談しにくいかもしれません。
むしろ、過去にうつだった人とか、過去に辛い経験のある方のほうが話しやすく感じます。
なぜなら自分のことを理解してくれそうな気がするからです。
共感する、ということはカウンセリングにおいて、それほどに重要なことなのです。

カウンセラーの注意点

少し前にも述べましたが、カウンセリングでは双依存の関係に陥らないように注意するようにして下さい。

カウンセラー

私がいなけりゃこの人はダメだ

カウンセラー

私はこの人に必要とされているんだ

とクライエントに依存してしまうと、クライエントの自立心を損なってしまいます。
クライエント自身も、

クライエント

このカウンセラーがいないともうダメ

クライエント

自分だけではどうにもならない

と考えてしまうと、いつまでたっても自立できないため、問題を解決できません。
自尊心の基礎をこうした形で補って、自分の価値を見出そうと考えるのはカウンセラーとして不適切です。

双方、このような依存関係に陥らないように注意して下さい。
あくまでも共感、肯定して話を聞いていくことに焦点を当てるようにしてください。

無条件の肯定的関心とは?

カウンセラーの条件三つ目は、無条件の肯定的関心についてです。
肯定とは、受容のことで、相手をそのまま受け入れる、ということです。

カウンセラーは、クライエントの考えや行動を、批判的な態度を取ることなく、肯定的に受け止めます。
クライエントの相談内容を、否定しません。良いか悪いかで評価しません。
クライエントが感じていることを自分の価値観で図らずに、そのまま受容するのです。

クライエントの相談に、

カウンセラー

それはあなたが悪い

カウンセラー

それは正しい

とかで評価しない、ということです。

カウンセラー

そうなんですね、そう感じてらっしゃるんですね

と受け止め受容するわけです。
それがたとえ、一般的に望ましくないものであっても評価せずに、そのままクライエントの人格を肯定します。

ただし同意する必要はありません。
先生もそう思うだろ、と言われても、それはクライエントの価値観であって、同意する必要はないのです。
いいえ、私はそういう考え方をしません、と伝えればいいのです。

こう考えると、わかりやすいかもしれません

ロジャーズのカウンセリングの基本態度
  • 自己一致(カウンセラーの気持ちに表裏がない)
  • 共感的理解(相手の立場になって聴く)
  • 無条件の肯定的関心(相手を評価せず受容する)

3つもあると、混乱される方もいらっしゃるかもしれません。
共感しつつ、優しくじっくりと聴いてあげる、という態度だと言えばわかりやすいかもしれません。

あなたは、こうした態度で相手の話を聴いたことはありませんか?

たとえば、仲の良い友人が悩みごとを相談してきたらどうでしょう。

  • 友人の話を聞かずに、好きな音楽を大音量で聴き始めますか。
  • あんたが悪いのよ!と共感せずに友人を責めはじめますか。
  • そうなんだーと関心を装いつつ、夕ご飯のことを考えますか。

きっとそんな態度はとらないでしょう。カウンセラーを目指す優しい方ならなおさらです。
きっと友人の話をしっかりと聴き、共感し、肯定し、自然な態度で心配するでしょう。

つまり、自己一致、共感的理解、無条件の肯定的関心は、意識してなくても出来ていることがあるのです。
こうした態度をものすごく簡単にいうと、思いやりをもって接しようね、ということなんです。

まとめ

カウンセラーの必要十分条件
  • カウンセラーは自己一致(純粋さ)してなければならない
  • クライエントに対し、共感的理解(共感)をしていること
  • クライエントに対し、無条件の肯定的関心(肯定)を持つこと
  • カウンセラーとクライエントの間にラポール(信頼関係)が成立してなければならない
  • 受容と共感がクライエントに伝わっていなければならない
  • クライエントは自己不一致の状態にあることを知っておかなければならない


このうち、以下の3つがカウンセラーとして特に大切な三条件となる

三条件
  • 自己一致(純粋さ)
  • 共感的理解(共感)
  • 無条件の肯定的関心(肯定)

①自己一致(カウンセラー本人の自己が一致している状態)

カウンセラーは本音と発言が一致してなくてはならない
辛そうだ、などと思っていないのに、辛そうですね、と嘘を言っても、人は非言語的コミュニケーションが優先して伝わるために嘘がばれてしまう。
その結果、ラポール(信頼関係)が崩れてカウンセリングは失敗に終わる。

非言語的コミュニケーションとは、言語以外の非言語的なコミュニケーションをいう
(顔の表情、しゃべり方、声のトーン、声の大きさ、しぐさ)

自己一致とは一言でいうと、自分の気持ちに嘘がない状態のこと
自己不一致とは、自分の気持ちに嘘をついている状態のこと
自己一致させていくことが来談者中心療法(ロジャーズのカウンセリング)の目的

②共感的理解

クライエントの体験を、自分が体験したことのように感じ取り、話を聴き、理解していく姿勢が求められる

③無条件の肯定的関心

たとえそれがどんな内容であったとしても、自分の気持ちは置いておいて、クライエントの話す内容を受け止める
それが一般的に望ましくない内容であったとしても、受容する
ただし、その内容に同意する必要はない

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