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【心理カウンセラー養成講座】カウンセリングに必要な繰り返しのやり方を自宅でマスター!

繰り返しをマスターしよう!

カウンセリングでは相手の話を傾聴して聴いていきます。
傾聴していくには、相手の話に相づちを打つなどの受容が必要ですが、それだけでは会話が続きません。
相手に話をしてもらうには、相手の話を繰り返す必要があります。

目次

クライエントの話を繰り返すのがなぜ必要なのか

今まで学んできた来談者中心療法のように、言語を使ったカウンセリングでは相手の話を聴くことが大前提となります。

カウンセラーはクライエントの話を聴いていくことになりますが、具体的には、はい、えぇ、など短い言葉で相づちを打ったり、うなづいたりして話を聴き続けます。

しかしそれだけでは話が続きません。

相手に話を続けてもらうためには相手の話の一部を繰り返して話を促す必要があります。

繰り返しを行うことで相手が話しやすくなる

カウンセリング中、言葉がつまることがあります。そんなとき相手の話を繰り返すことで相手は話しやすくなります。なぜなら話を促されている気分になるからです。

また、繰り返しを行うことで、会話の内容を理解してくれてる、話を聴いてくれている、と気づいてもらうことができますので、相手は安心して話すことができるようになるのです。

また、話を続けてもらうことで話の内容を深く掘り下げ、根本的な問題が顕わになっていき、そこから気づきを得るといった効果も期待できます。

カウンセリングの繰り返しは、ただのオウム返しと揶揄されることもある

カウンセリングでは相手の話の一部を繰り返すことがありますが、ただのオウム返しで不自然だ、と批判されることもあります。

確かに、ただのオウム返しでは不自然なので、繰り返しを行うときには以下のことに注意するようにします。

繰り返しの注意点
  • 相手の話の一部分のみを繰り返すようにする
  • 会話の中の重要なキーワードを繰り返すようにする
  • 何度も繰り返しは行わないようにする

こうしたことに注意して繰り返しを行うようにして下さい。

会話の内容に重要なキーワードがない場合、繰り返しをしてはいけないの?

では、重要なキーワードがなければ繰り返しを行わない方が良いのでしょうか?必ずしもそうとは限りません。
例えば、相手が話しにくそうにしているとき、言葉が出てこないときに相手の最後の言葉を繰り返すことで話を引き出すことができます。

ただし、むやみに使うものではなく、あくまでも使い分けることが必要です。
多用すると不自然な会話になってしまうので気を付けるようにして下さい。


ここで繰り返しのメリットとデメリットをまとめると、

繰り返しのメリット
  • 言葉を繰り返されると話しやすくなる
  • 話を聴いてくれている、と気づいてもらうことができる
  • 問題点が明確になりやすい
繰り返しのデメリット
  • 不自然な会話になってしまうことがある


繰り返しを実践練習してマスターしよう!

ではここで、カウンセリング中の受容と繰り返しのやり方を動画で見てみましょう。


トーク例 ①仕事でミスばかりしてしまって、自分はダメな人間だと落ち込んでいる。

カウンセラー

カウンセラーの〇〇といいます。どうぞよろしくお願いします。

クライエント

よろしくお願いします。

カウンセラー

今日はどうされましたか?

クライエント

実は…仕事でミスばかりしてしまって…

カウンセラー

えぇ(受容)

クライエント

はい。自分はミスばかりしてしまうダメな人間だと思うとつらいんです。

カウンセラー

相づちを打つ(受容)

クライエント

この前も、確認作業をおこたるという、初歩的なミスをしてしまって…

カウンセラー

うんうん(受容)

クライエント

カウンセラー

初歩的なミスをしてしまった…(繰り返し)

クライエント

はい…。


実はこの、受容と繰り返しのみで話は成立してしまうのです。
例えばこのような感じです。

話し手

実は、人間関係で悩んでいまして。

聞き手

ええ。

話し手

そこまで仲の良くない友人に遊びに誘われるんですが…。

聞き手

はい。

話し手

できれば行きたくないんです。

聞き手

うんうん。

話し手

でも断りにくて。

聞き手

断りにくい…。

話し手

はい、なんだか悪い気がして…断ってしまうとそれ以降、連絡が来なくなるかもしれないし、それはそれで嫌なんです。

聞き手

うんうん。


このような感じになります。実は受容と繰り返しの対応だけでも、延々(えんえん)と会話が成立してしまいます。
こうして工夫をしながら、相手にどんどん話をしてもらうわけです。

ただし、繰り返しを多用すると会話の内容が堂々巡りになってしまったり、会話が不自然になってしまうので
注意するようにして下さい。




トーク例 ②仕事でミスばかりしてしまって、自分はダメな人間だと落ち込んでいる。

クライエント

もう、自分には価値がないと思うんです。

カウンセラー

なぜそう思うのですか(開かれた質問)

クライエント

どうせ会社の役に立たないんです、会社からしても私みたいな人間は迷惑でしょう。

カウンセラー

… (否定も肯定もしない)

クライエント

の気持ちは誰にもわかってもらえない、私だっていろいろ大変なのに、苦労しているのに…。

カウンセラー

うんうん(受容)

クライエント

そもそも、仕事のミスは私だけじゃないし、他の同僚もミスすることはあるのに、上司は私にばかり厳しく接している気がするんです。

カウンセラー

うん(受容)

クライエント

この前なんて、仕事中に泣いてしまいそうでした、情けないのと、つらいのとで…。

カウンセラー

うんうん(受容)

クライエント

カウンセラー

泣いてしまいそうだった…(繰り返し)

クライエント

はい、もう何もかも嫌になって。最近では仕事に行く前から、嫌なことばかり考えます。
寝る前だってそうです。嫌なイメージばかり頭に浮かんできてしまって、なかなか眠れません。

カウンセラー

そうですか…(受容)

クライエント

どうしたら眠れるようになりますか?



いかがでしょうか。繰り返しを行うことで、話を続けてもらう効果があるとお分かりになられたと思います。

最後にどうしたら眠れるようになるか聞かれますが、今の段階ではまだ対応はできないと思います。
傾聴のカウンセリングは基本的に、指示的なアドバイスはしませんが、眠れない方に対しては最適な心理療法があります。
その場合はカウンセリングの最中にその心理療法を施しても良いかと思います。
時間配分も考えなくてはいけないので、そこは柔軟に対応していただけたらと思います。

※否定も肯定もしないについて

忘れてほしくないのは、現在、傾聴を主体としたカウンセリングの練習を行っています。
こうした従来のカウンセリングは、聴くことを主体としており、カウンセラーの意見は置いておくので、
クライエントが「自分は価値がない」と話してもそれを否定することはせずに、ただそれを受容する形をとっていきます。
しかし、こうした対応はときに不適切なこともあります。

クライエントが自分は価値がない、と断言していれば、カウンセラーはそれを否定すべきかもしれないのです。
傾聴のカウンセリングは、「なぜそう思うのですか」「そう思うようになったきっかけを教えてください」と話して、またそこから傾聴の形に整えていき、カウンセリングを続けます。

しかしながら、「自分は価値がない」という思いが根深い場合、ただ傾聴していくような対応をとらずに
それを否定し、考え方を修正していく必要もあるかもしれません。
その場合は違う心理療法のスタイルを勧めます。


今度は繰り返しを多用してしまった例を見ていきましょう。

トーク例 ③カウンセリングは難しくて、勉強が大変なんです!(例:知らないことが沢山あって覚えるのが大変、など)

クライエント

カウンセリングは難しくて、勉強が大変なんですよ。

カウンセラー

勉強が大変…(繰り返し)

クライエント

そうなんです!知らないことが沢山ありまして。

カウンセラー

へー(受容)

クライエント

専門用語もいっぱいあるし、覚えるのが大変なんですよ。

カウンセラー

うんうん(受容)

クライエント

でも、困っている人を助けてあげたいし、勉強を頑張りたいと思います。だけど…。

カウンセラー

だけど…(繰り返し)

クライエント

わからないところが多すぎて。受容とか繰り返しって意味わかんないですよ。

カウンセラー

意味わかんない…(繰り返し)

クライエント

こんなんでカウンセリングになるのって感じなんです。半信半疑ってやつですよ。

カウンセラー

なるほど(受容)


いかがでしたでしょうか。
ただ、受容と繰り返しを行うだけで、話が続くものなんですね。

しかしながら、このように繰り返しを多用して行うと会話の内容が堂々巡りになってしまったり
不自然な会話になってしまうので注意するようにして下さい。



それでは実際に動画を使って実践練習していきましょう。
実際に声を出して練習して下さい。

いかがでしたか?受容と繰り返しを自然にできましたでしょうか?
何度か練習して繰り返しをマスターしましょう。

上手くできるようになったら、身近な人で練習してみるのも良いでしょう。

受容と繰り返しをマスターできたら、次の講座に進むようにして下さい。

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